7/31① 津軽ツアー③
「八甲田山」
青森駅から今日の宿を取った「酸ヶ湯温泉」の送迎バスに乗り、
八甲田・十和田ゴールドラインを通り、
途中の「八甲田ロープウェー山麓駅」で下車させてもらいました(11:05)。

八甲田山と言えば、世界山岳史上最大と言われる犠牲者が発生した、
「八甲田雪中行軍遭難事件」(210名中199人が死亡)を題材とした、
新田次郎の小説『八甲田山死の彷徨』を原作とする
高倉健さん主演の映画
「八甲田山」(1977年)で知られるところ。
待合室には、映画紹介のコーナーがあり、ポスターやパネルもありました。
高倉健さんの直筆サインを初めて見ました(感動)。

ロープウェーの窓から陸奥湾を望みながらを山頂公園駅を降りると、
雨は降っていないものの、今にも降り出しような雲に覆われていました(11:30)。

「田茂萢湿原」。湿原や高山の植物などが見られる遊歩道があります。

イワオトリギ、イワギキョウ、キンコウカ、ウメバチソウ、
ワタスゲ、ネバリノギラン、ミヤマホツツジ、
など短時間でしたが、多くの植物を見ることが出来ました。
画像は「イワイチョウ」。

11:57 遊歩道から「大岳登山コース」へ。
赤倉岳、井戸岳を越えて、八甲田山系の盟主、八甲田大岳を目指します。

登山道はよく整備されていて、柵がずっと設けてありました。
これは柵の外が崖ということと、自然保護と、そして、
火山性ガスがあるところへ迷い込まないようにするため。
木が倒れているのではなくて、一方向から吹き付ける風雪のため、
風下へ地を這うように伸びています。冬に来たらやっぱ厳しそう。

「イワブクロ」。中部地方の山では見たことが無い花なので、
後で調べたら、北海道~東北地方の高山帯に分布するものとのこと。

ここで標高約1,500mだけど、中部の山では2,500mくらいの雰囲気、
緯度が高いので森林限界が低いんですよね。
この下が噴火口のはずだけど、霧で何も見えなかった。

13:40 大岳頂上(1,585m)到着。
いつか、いつか、と思っていた憧れの山だったので感無量。
平日のこの時間、この天気、ここまで誰にも会わなかったし、
頂上にも誰もいなかった。何処に行っても一人。


大岳からは仙人岱の方向へ下りていくと雪渓が現れた。
底がすり切れた靴で行ってたので、やっかいでした。

雪渓が終わり、「地獄湯の沢」に入るあたりから花が見られ、
チングルマを中心に、ハクサンチドリ、ヒナザクラ、
ベニバナイチゴなどがお花畑を作っていました。

「八甲田清水」
ここが矢野顕子さんの「津軽ツアー」で歌われている
♪「八甲田山 ホーハイ わきでる泉 ホーハイ うまい水」というのは、
ここのことかな?! 本当にうまかった。

木の高いところに山スキー用の標識版。
これは先日エベレストに最高齢登山に成功した三浦雄一郎さんの父、
三浦敬三さんが青森営林署時代に仲間と取り付けたものだそうです。

草木が急に無くなりはじめ、硫化水素の臭いが漂って来ました。
八甲田山は火山性ガスでの死亡事故があるところ。
結構濃度がキツイところもあり、あまり吸わないように一気に通過。

15:38 酸ヶ湯温泉からの登山口に到着。
ずっと霧の中でしたが、雨に降られることはなくて良かった。
